前回 『FIRE目標設定お金編 第1回』で私、FIRED MANの年間支出予定額について書きました。私は年間支出予定額を600万円(月間50万円)に設定しました。これは読者の皆さんが自由に決めることのできる額です。しかしながら、この額をベースとしてFIRE達成のために準備する金融資産額を設定し、具体的なアクションをスタートさせることになります。早く、そしてできるだけブレない額を設定することが大変重要となります。今回は私が設定した年間支出予定額600万円からどのように金融資産必要額が導き出されたかを解説させていただきたいと思います。
FIRE 金融資産2億円必要!
金融資産2億円!衝撃的な数字です。根拠は簡単です。金融資産を取り崩さずに税引後年間600万円の不労収入を得るためには、税引後3%(税引前3.75%)の利子配当収入をベースとした場合、2億円が必要となります。私、FIRED MANは株式を中心とする投資についてはかなりオープンですが、リスクに対してはかなり慎重です。
- FIRE年間支出予定額 600万円 (¥6,000,000)
- 税引後リターン 3.0% 税引前リターン 3.75% (3.0%/ 0.8 = 3.75%)
- 必要金融資産2億円(¥6,000,000/0.03 = ¥200,000,000)
慎重な私がFIRE達成のための金融資産目標を設定した際の前提条件、特になぜ税引後リターンが3%なのかを次から解説していきます。
①アーリーリタイア or ②セミリタイア
私、FIRED MANはFIREが30歳を少しすぎてFIREを目指した頃は47歳でフルリタイア(アーリーリタイア)を目指していました。当時アメリカに住んでいた私は、アメリカ人のリタイア生活への強いイメージがありました。フロリダに引っ越し、ゴルフコース沿いの豪邸に住み、朝は自宅から電動カートに乗りゴルフコースに直行、午後はビーチかショッピング、夕方からゴルフコースを望む庭でビール、ワインを飲みながら友人たちとバーベキュー。こんなRetiree(引退生活者)がパートタイムで働くということは稀でした。こんなイメージがあったことからか、リタイア後に満足なパートタイムの仕事につくことが可能なのかという懸念があったためか、どう転んでもいいように金銭的にはフルリタイア(アーリーリタイア)を前提条件としました。
アーリーリタイアを前提としたため、FIRE後の収入は全額金融資産からの不労所得で賄うことを前提としました。今から思えば随分壮大な考えですよね。しかしながら、人間は具体的な目標があれば、それがたとえ壮大でも、その目標に向かって行動するようにできています。まだ、十分に若かったのかスタートに躊躇せずに目標に向かって歩み始めた私でした。しかしながら、これは私の目標、考えでありまして、読者の皆さんは生きがいの観点から、資金の観点から目標が異なって当たり前です。セミリタイアとし、FIRE後年間支出から労働収入を差し引いて金融資産目標額を設定することも素晴らしいことだと思います。
私自身は幸運にもサラリーマン晩年時代に8年かけてコツコツ趣味でやってきたことが小さな事業となり、FIRE初年度で年間80万円の収入を得ることができました。アーリーリタイアを目標としていましたが、結果的にはセミリタイアとなっています。好きなことですから熱中して、しかも収入を得る事もでき、とても嬉しく思っています。これは運が良かった事もあり、ボーナス程度に考えていますし、FIRE達成に向けて準備している時は全く計算に入れていませんでした。実感として、小さくても自分の事業があるということはアルバイトや非正規労働と違い、人生に大きな充実感を与えてくれるものとなり、金銭的貢献とは全く別の充実感を与えてくれています。FIRE後の収入は全額不労所得(金融資産からの収益)をベースとして、FIRE達成が近づいてきたらFIRE後のライフワーク探しも視野に入れておくのがベストなのではないかと後付けながら思っています。
FIRE後の収入は ①金融資産取り崩し型 or ②利子配当型
FIRE後には会社勤めのような精神的、肉体的ストレスはありません。しかし、少なくとも年金受給までは収入を自分で確保しなければなならないという別の大きなストレスがあります。あなたは①金融資産取り崩し型ですか?それとも②利子配当型ですか?
私も金融資産取り崩し型を試算したことがあります。年金受給前の支出額、年金受給開始後の補填必要額を自分の寿命を85歳などと仮定して試算します。試算をしてみて感じたことは
- FIREはかなり早く達成できそうだ ー GOOD
- 自分の寿命を予測できるか? ー BAD
- 長生きした場合のリスク大? ー BAD
- 金融資産取り崩しの恐怖に耐えれるか? ー BAD
そして利子配当型が実際に私が実際に実践しているFIREモデルです。本編で説明している年間支出600万円を金融資産2億円からのリターン年率税引後3%で得るモデルです。説明の必要はありませんが、基本的には準備した金融資産を取り崩す必要がありません。試算し、実践してみて感じていることは
- FIRE達成まで時間がかかった ー GOOD and BAD
- 金融資産を取り崩す必要なし ー GOOD
- 資産面で長生きリスクなし
- 資産が減っていく恐怖なし
- 金融資産の保全(運用)が必要 ー GOOD and BAD
こんなことを考えて私は準備した金融資産は取り崩しをせず、保全・運用を行いながら毎月配当収入を得る利子配当収入型を採用しています。私、FIRED MANの例を使って説明しておりますが、人はそれぞれ性格、生活レベルの期待値、寿命に対する考え方が異なります。私が採用した利子配当収入型が一概に最適とは限りません。
Annual Target Return 税引後配当3%
税引後年率配当3%。どう思われましたか?日本人で株式への投資をやってこられた方なら腹落ちがする数字ではないかと思います。しかし、そうは言っても税引前配当利回りでは3.75%です。私、FIRED MANとしましてはギリギリまでリスクを取った目標配当利回り(Annual Target Return)です。本日2020年12月30日の日本経済新聞WEBによると日経平均の平均配当利回りは1.88%。米国のダウ平均(DIJ:工業等を中心に大型の優良株30銘柄の平均値)に連動するETFの配当利回りは、これも1.88%。債券は三井住友銀行WEBサイトによると本日の日本国債10年の利回りは0.02%、米国債10年は0.942%。高い格付けの社債は目安として日本約0.3%、米国約2.5%です。税引前配当利回り3.75%は簡単な簡単に達成できる数字ではありません。
巷で話題となっている『FIRE 最強の早期リタイア術』などには株式インデックスファンドなどで成長するポートフォリオを運用し、毎年4%定額を取り崩していけば資産がなくなってしまう可能性は極めて低いという説が展開されています。私も大きな異論はありません。異論がないとしても、自分に本当に定額取り崩しができるかという大きな疑念があります。資産は配当利回り以上に成長するにしても取り崩し型には違いがありません。私を含め慎重な日本人がファンドの成長を気にしつつ、年間4%を取り崩していく恐怖に耐え続けていけるのでしょうか?慎重派の私にはどうしても合点がいきませんでした。
ということで、
- 金融資産目標2億円
- 金融資産を取り崩さず配当利回り3%(税引前3.75%)で年間支出額600万円を捻出
という目標が決まり、2億円達成までにいかに効率よく到達させるかというアクションを開始し、ある程度FIRE達成が近づいてきたら金融資産価値(元本)を損なわず配当利回り3%(税引前3.75%)をできる限り安定的に毎年達成するためのアクションに移行するというロードマップを描いたのでありました。
では、次回『FIRE目標設定お金編 第3回 金融資産2億円までの計画と実際』として、私が30歳位そこそこ、安月給の状態でどんな目標達成プランを描き、どうやって実践を継続してきたかをお話しさせていただきます。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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